研究内容

本研究室では、食品に関係のある微生物を対象に幅広く研究を行っています。

食品に関係する微生物といえば、アルコール醸造や乳酸発酵に代表される発酵食品を連想する人が多いと思います。しかし、このように良い面だけではなく、条件次第で微生物は人間にとって不都合な存在(特に食品衛生における雑菌汚染)になります。この時は、殺菌や抗菌という言葉と関係します。

「食品に関連した微生物学」と入力して思いつくものには、発酵食品、食品衛生、有用微生物の食品への利用などがあります。以下に本研究室でよく行っている研究分野をあげてみました。

〇発酵食品中の微生物に関する研究(衛生検査方法を含む)

〇微生物の生死について 「増殖、死滅、培養、殺菌」など

〇損傷菌、培養不能菌(VBNC状態の細胞)など、ストレスを受けた微生物の状態

特にヨーグルトや漬け物に利用されている乳酸菌に関する研究を多く行っています。

本研究室では、食品中の微生物の状態を考えながら研究したいと考えています。

たとえば、微生物は過ごしやすい状態で存在しているのか、それとも過ごしにくい状態を何とかやりくりして過ごしているのかということです。

食品中に限らず、環境中の微生物は、そのほとんどが試験管の中で培養に適した培地で御機嫌に増殖したものとは異なり、住み心地が良くない状況で我慢しながら生活しているようです。そのストレスの種類には酸性、乾燥、塩分、低温などのストレスが多いのですが、それらに対して、どのように耐えて生き延びているかに興味があります。

特に乳酸菌は増殖すると必ず乳酸を産生するため、増殖とともに周りの環境を自分にとって不都合な状況(酸性:低pH)に変えてしまう気の毒な微生物です。

このように、微生物が様々な状況でいろんな問題を抱えながら生育していることを明らかにしていけたらと考えています。

本研究室で行った研究テーマを以下に挙げてみます。

・発酵食品中の乳酸菌の増殖と死滅

・食品から分離した乳酸菌の免疫賦活活性

・抗菌物質生産や効果の判定

・食品に適した殺菌方法の検討

・ヨーグルト中の乳酸菌に関する研究

この「ヨーグルト中の乳酸菌に関する研究」について少し説明してみます。ヨーグルト中には固形の乳成分が存在するため、乳酸菌体を取り出すことは非常に難しいものとされています。そのため、解析はあまり進んでいません。そこで、菌体が生きたまま回収できる方法を開発してみました。今後、乳中で増殖した乳酸菌の遺伝子発現や酵素生産を調べたいと思っています。乳中で乳酸菌がどのくらい苦労して増殖しているのか知りたいと思います。